桑港のチャイナタウン

 「桑港のチャイナタウン」という曲を巻上さんの
超歌唱セッションで良く歌っていたが。。
私達の東京での結婚パーティがきっかけでゴールインした
イタリア人と中国系アメリカ人のカップルに赤ちゃんが産まれた。
お祝いにお家に遊びに行ったら、奥さんのお母さんが中国人で、
彼らの手伝いに来ていて話をしてみると、日本語がぺらぺら。
台湾出身だから、と楽しそうに話してくれたのだが、
反日問題などを考えると、一瞬どうしていいのか分からなくなる。
あの世代で日本語が分かるという事は、日本に占領されていた
戦争被害者。私のそんなとまどいも関係なく、お母さんは
にこにこと優しく接してくれた。
 サンフランシスコは白人、黒人の方が少ないんじゃないかという
くらい、中国系、メキシコ系が多い。
だからとてもインターナショナルで、自分が外国人という感じが
しないのがいい。チャイナタウンに行くと反日的な言葉が書いてある
場所がひとつだけあるけれど、嫌な目に会った事は全くないし、
同じアジア人として逆に韓国人も中国人もお互いほっとできる
相手でもあり、ちょっと通った語学学校でも漢字で話題が
盛上がったりもしていた。
 しかしこれだけ色んな人種がいれば、子供はさらに混血に
そしてさらに複雑な混血になっていく。
私の知り合いにはネイティブアメリカン、アジア、トルコ、
アフリカ、ヨーロッパなど地球を広範囲に渡って先祖から
生を譲り受けた子供もいる。彼女は宇宙と同い年で
何とも神秘的な雰囲気をもっており、オリジナリティ
の高い面白い子だ。よく目をパチパチして止まっているので
心配して声をかけると猫の真似をしているらしい。
最近は何故か私に三味線の真似を要求する。。
げらげら笑ってくれるのでついつい何度もやってあげるのだけど。。
 昔、「コンドルは飛んで行く」をレコーディングした時に
スペイン語の発音を教わった。彼は血的には純日本人。
しかし彼はどう見てもペルー人にしか見えない。
生まれ育った環境だけでまるで人種の血さえ違ってくるんじゃ
ないか??なんて思える程で。
日本人の友達にもいる。タイで民族衣装をつけた彼女の写真を
見ると、それでどうしてあなた日本人って言ってる訳??
なんて言いたくなる程タイ人にしか見えない。
 きっとアメリカは人種のるつぼだから、人種問題はどの国よりも
深刻なんだろうけど、今私が住んでいるサンフランシスコでは
それは全く感じない。(あまり社会に入りきってないからもあるかも
しれないが)きっと他の民族も皆、快適に過ごしていると思う。
日本人なんて極東の地にあって色んな人種が行き着いて
多数の民族からの混血だとも言われているんだから、どこが
一体人種の境界線なのかも分かりにくい。
桑港のチャイナタウン近くに住んでいる私は人種の境界線が
はっきりしていなくてとても快適に生活できる。
私にはとっても肌に合う街だ。大変なのはジェットコースター並の
「坂」くらいかな。